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【個人買い手目線】スモールM&Aとは|案件探しのコツ、成功のポイントを解説

更新日:4月22日

近年、個人で会社や事業を取得する「スモールM&A」が増えています。


その背景には、M&Aマッチングサイトの発達、M&Aという手段に対する認知の広まりなどがあります。しかし、初めてM&Aを行う個人が独力でM&Aを成功させるのは決して容易ではありません。


今回の記事では、スモールM&Aの概要を解説した上で、案件の探し方、成功のための2つのポイントにも言及します。


個人の買い手が、これからM&Aを始める際に把握しておくべき実践的なノウハウを紹介しているので、最後まで読んでみてください。


公式LINE

個人買い手が行うスモールM&Aとは

スモールM&Aとは

「スモールM&A」に厳密な定義はなく、どの程度の規模のM&Aを指すかは事業者により異なります。中には、譲渡価格が1億円以下のM&AをスモールM&Aと呼ぶ場合もあります。


本記事では、個人の買い手が取得しやすい金額として、譲渡価格1,000万円以下のM&AをスモールM&Aと定義します。M&Aにおける譲渡価格は、対象となる会社や事業が保有する資産や利益により決まるケースが多いです。


そのため、スモールM&Aの対象となるのは、保有資産の規模もそれほど大きくなく、数百万円程度の利益を出す会社や事業です。ときには、赤字の会社や事業がスモールM&Aの対象となる場合もあります。


スモールM&Aで使われるスキーム

スモールM&Aでは、事業譲渡と株式譲渡の2つがスキームとして活用される場合が多いです。


株式譲渡

株式譲渡は、譲渡の対象となる会社の株式を買い手が譲り受ける手法です。株式の取得により、会社の所有権を取得できるため、会社が保有する資産や負債をそのまま取得する形となります。


株式譲渡は、事業譲渡と比較して、手続きが煩雑でない点にメリットがあります。一方で、会社が保有する負債もそのまま引き継ぐため、簿外債務や偶発債務も引き継ぐ恐れがあります。M&Aにおいて株式譲渡を活用する場合は、会社に隠れた負債がないか等の点を専門家の目で確認すると良いでしょう。


事業譲渡

事業譲渡とは、売り手の会社が保有する事業の一部あるいはその全てを、買い手が取得する手法です。


事業譲渡では、事業に関連する資産や無形資産・権利の移転などを行います。株式譲渡と比較した際の最大の違いは、取得する資産や権利を一つずつ選択して行う点です。そのため、買い手は不要な資産、簿外債務および偶発債務を引き継がずに済むケースが多いです。


一方で、事業譲渡の場合は、契約を引き継ぐ際に、従業員や取引先から同意を得るプロセスが発生します。そのため、株式譲渡と比較すると、手続きとしては煩雑になる手法といえます。


スモールM&Aのメリット

スモールM&Aを行うと、主に以下3つのメリットを享受できます。


事業の立ち上げ費用の削減

事業立ち上げの際には、事業を行うスペースや設備などが必要になります。例えば、飲食店を開業する場合には、立地調査や賃貸仮契約締結、内装工事や社員の雇用など、多くのプロセスを踏む必要があります。


これがスモールM&Aになると、全てが用意された状態で、事業を引き継ぐことができます。そのため、事業の立ち上げに必要となる費用や時間・労力なども抑えられます


役員報酬の取得

取得対象となる会社のビジネスが既に軌道に乗っている場合、取得時点から買い手は役員報酬を得られます。また、経営が軌道に乗っていない場合でも、買い手側のスキルや経験を活かして業績を向上させることができれば、役員報酬を得られます。


将来的に売却できる可能性

スモールM&Aを行うと、経営手腕次第では、将来的には対象の会社や事業を売却できる可能性もあります。取得後にビジネスを成長させることができれば、取得価格よりも高い金額で売却することもできます。


個人の買い手がM&Aを行う場合、安定して役員報酬を得られる環境の構築が第一です。それを実現した後に、会社のイグジットについても検討していきましょう。


スモールM&Aの案件の探し方

スモールM&Aの案件の探し方

個人の買い手がM&A案件を探す方法には、いくつかの種類があります。事業承継・引き継ぎ支援センターを利用したり、M&A専門家に相談したりするのも選択肢の1つではあります。


しかし、それらの方法で適切な案件を見つけられる可能性は決して高くありません。そのため、本記事では、M&Aマッチングサイトを利用して案件を探す方法に焦点を当てて解説します。


M&Aマッチングサイトの利用

現在、さまざまな種類のM&Aマッチングサイトが存在します。業種を選ばずに幅広い案件を掲載するものもあれば、特定の業種に特化して案件を掲載するものもあります。


その中でも、次の2つのサイトは規模が大きく、個人の買い手がM&A案件を探す際に活用をおすすめするM&Aマッチングサイトです。

  • BATONZ

  • TRANBI

2023年12月2日時点で、BATONZには19,027件のM&A案件が登録されています*¹。

また、TRANBIには14,958件のM&A案件が掲載されています。


2つのサイトに重複して掲載される案件もありますが、これらのサイトを活用すると、個人の買い手として数万件のM&A案件の中から自分に合ったものを探すことができます


*¹出典:BATONZ「数字で見るバトンズ

*²出典:TRANBI「アドバンスド データ


案件探しの3つのコツ

M&Aを成功させるためには、さまざまなプロセスを経る必要があります。あなたも耳にしたことがあるかもしれませんが、M&Aには、「両者面談」「意向表明書」「デューデリジェンス」「クロージング」をはじめとした固有のプロセスが数多く存在します。


これらのM&Aの流れについては、別記事でも解説しているので、ぜひご確認ください。



このように、M&Aにはさまざまなプロセスがありますが、個人の買い手がM&Aを成功させようとした際に非常に重要になるのが「案件探し」です。M&Aを活用して独立・起業を考える個人の買い手の中には、案件探しのプロセスでつまずき、前に進めずにいる方も少なくありません。


以下では、案件探しの3つのコツを解説します。


3つの条件で案件をしぼる

案件探しを行う際は、はじめに、検討する案件を次の3つの条件からしぼります

  • 業種

  • エリア

  • 規模(譲渡価格)

例えば、「業種は家具および雑貨の小売業、エリアは東京都、規模は譲渡価格で500万円以下」のように決めます。その上で、M&Aマッチングサイトの案件検索機能を用いて、3つの条件に合致する案件を探します


積極的に実名交渉を行う

3つの条件に合致する案件には、積極的に実名交渉を行いましょう。M&Aマッチングサイトに初期的に掲載されている匿名情報は、対象となる会社や事業のごく一部の情報のみを記載したものです。そのため、匿名情報のみで案件が自分に向くか向かないかを判断せず、積極的に実名交渉を行うことをおすすめしています。


実際に、実名交渉を行ってみると、売り手オーナーの人柄や、匿名情報には掲載されていなかった強みなどがわかるようになり、案件に対する印象が変わるケースがあります。匿名交渉の時点で過剰な選別を行うと、機会損失が発生する恐れがあるため「原則は実名交渉を行う」を徹底してほしいと思います。


実名交渉を行う対象が多すぎる場合は、3つの条件をさらに狭めていきましょう。


案件が見つからないときの対処法

業種、エリア、規模の3つの条件によっては、M&Aマッチングサイトで思うように案件を見つけられない場合があります。特に、地方都市でM&A案件を探す場合は、そもそもの案件数が少ない場合があります。その際は、3つの条件を少しずつ広げながら案件を探します


例えば、はじめは「業種を家具および雑貨の小売業」としぼっていたのであれば、「家具や雑貨の卸売業」や「家具や雑貨のEC販売業」も検索対象とします。「エリアを東京都」としぼっていたのであれば、一都三県に広げて検索するのも良いでしょう。


このように、はじめに3つの条件でM&A案件をしぼっているからこそ、案件が見つかりにくい場合にとるべき手段も明確になります


スモールM&Aを成功させる2つのポイント

スモールM&Aを成功させる2つのポイント

ここまでの内容で、スモールM&Aの概要とM&Aマッチングサイトの活用方法をお伝えしました。特に、個人の買い手にとってハードルになりやすい案件探しは戦略的に実施することをおすすめします。


ここからは、案件探し以外の観点で、スモールM&Aを成功させるための2つのポイントを紹介します。


行動量を維持

個人の買い手がM&Aを成功させようとする場合は、何よりも大切なのが「行動量の維持」です。M&Aマッチングサイトには、日々、新しいM&A案件が登録されていきます。まずは、これらの案件を定期的にチェックし、自分に合った案件を見逃さないようにすることが大切です。


BATONZでは、M&A案件が最短1週間で成約します*¹。つまり、案件の検索を1週間停止している間に、あなたに合った案件が他の買い手に取得されてしまう恐れがあるのです。1週間での成約は極端な例ですが、機会損失を避けるためにも案件の定期的なチェックは重要です。


その上で、気になる案件について積極的に実名交渉を行い、追加で必要な情報を取得していきます。これらの行動を徹底していくと、常に複数のM&A案件を分析・交渉している状態になるはずです。こうした状態を維持できると、自分に合った案件に出会うタイミングが訪れます。


本業を続けながら行動量を維持するのは決して容易ではありませんが、例えば「1日に30分はM&A案件をチェックし、売り手からのメッセージに返信する」などと時間を決めて、それを毎日繰り返していきましょう。繰り返しになりますが、行動量の維持は個人の買い手がM&Aを成功させるために最も重要なポイントです。


*¹出典:BATONZ「数字で見るバトンズ


専門家の有効活用

多くのM&A仲介会社は個人向けの支援を行っていませんが、中には個人の買い手に特化した支援を行う専門家もいます。


個人の買い手としてM&Aを成功させるためには、専門家を有効活用して、専門的な知見が求められるM&Aのプロセスをカバーすることをおすすめします。特に、本業を続けながらM&A案件を探し、交渉している場合、M&Aに必要な専門知識の習得に時間を割くのは難しいはずです。


M&Aはあくまでも手段であり、目的はM&Aを活用して独立・起業すること、副業としての収入源を確保することにあります。そのため、M&Aのプロセスに必要な専門知識は、専門家に丸投げし、あなた自身は行動を徹底することにリソースを割く形がおすすめです。


個人の買い手に対してどのような支援を行っているかは、専門家によりけりです。あなたに合った支援を行う専門家を、ぜひ探してみてください。


まとめ

今回は、スモールM&Aの概要を解説した上で、案件探しをはじめとして、個人の買い手が成約を目指すために必要な実践的なノウハウも紹介しました。


スモールM&Aの定義はさまざまですが、個人の買い手が取得しやすい案件は、譲渡価格が1,000万円以下のものでしょう。そうした案件を見つけてM&Aを成功させるためには、案件探しを戦略的に行う必要があります


案件探しにおいては、はじめに業種・エリア・規模(譲渡価格)の3つの条件で案件をしぼり、積極的に実名交渉を行いましょう。案件が少ない場合は、3つの条件を広げて対応してください。


個人の買い手がM&Aを成功させるためには、専門家を有効活用しながら行動量を維持することが重要です。毎日の積み重ねが成約につながるので、今日から1日30分でも案件探しの時間を確保してみてください。


「個人M&Aなら、M&Acompass」

M&Acompassは、個人M&Aの買い手に対する伴走支援です。これまでM&Aの専門家のサポートが十分に届いていなかった個人の買い手向けの伴走支援であり、個人M&Aの成約を目指すためのM&A戦略立案・案件探しといった初期的な工程からクロージングまでを支援するサービスです。


「M&Acompass」では、毎週さまざまなテーマでセミナーを開催しています。


また、伴走支援の一部を体験していただく趣旨で、オンライン無料体験会も開催しています。個人M&Aに関する疑問や課題に対して、現役のM&Aコンサルタントが提案・アドバイスさせていただきます。オンライン無料体験会もお気軽にご活用ください!


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